原価管理のすすめ2-厳しい単価交渉の先にWIN-WINはある!

トリニティーコンサルティングの四元(よつもと)です。前回のブログでは、不況時の対策として計算の立たない売上増加による対策より、実行さえすれば必ず成果の出るコストコントロール、特に原価削減について触れさせていただきました。

仕入先、外注先、自社スタッフへの単価交渉から逃げたい気持ちはわかります。しかし、誰しもが避けたい項目だからこそ、非常時にこそ実行すべき改善項目とも言えます。

さて、今回は厳しい単価交渉を経た後のWIN-WINについて。

SNSなどを通じて、WIN-WINの本質は、相手の主張を何でも受け入れ、安易にOKとすることではないと、幾度となく掲載してきました。むしろ、本質的な主張をぶつけ合い、双方の成長の先に本当のWIN-WINがあると信じています。

これはリーマンショック時の実話です。とある試作請負を中心業務とするメーカーの受注が落ち、収支のバランスが崩れ、債務超過目前の2期連続赤字に陥っていた企業がありました。

内容を詳しく調査すると、同社の原価率は約80%。外注の比率が高いとは言え、発注内容や単価に問題があると直感的に感じました。外注先に単価交渉を申し出たところ、もちろん快諾とはならなかったものの、粘り強い交渉の末、2割ほどの削減に成功したという事例があります。

同社の外注先も、同じく試作業界ですから、不況時は新規の開発案件が減り経営的に苦しかったと推察します。

しかし、その半年後から同社と外注先の真のWIN-WINは始まりました。

そもそも、中小零細のメーカーが原価率80%という状況は、一部の例外を除き異常値です。取り巻く環境が右肩上がりに成長していたからバランスされていただけのことだと思われます(トヨタなどはリーマンショックまでの数年は、毎年過去最高を更新)。

苦しい中で外注先も含めた原価削減を行い、構造改革を達成した先にあったのは、「競争力」でした。

同社は主にトヨタ系の試作を請け負っていた企業ですが、構造改革で経て得た「競争力」を元に他のメーカー系列の受注獲得に打って出ました。

同時に景気は徐々に回復し、基盤とする(トヨタ系の)売上高の回復の他に、他系列の売上も乗る構造に進化しました。しかも、原価率を削減した後の売上高ですから、残る利益も格段に上がりました。

一方、厳しい単価交渉を受けた外注先はどうでしょうか?苦しい中、単価交渉に応じ、否応なく構造改革に迫られた結果、彼らの元請の新規受注につながり、外注先の売上高も増えたはずです。しかも、構造改革をせざるを得なかった結果、同様に残る利益も格段に増えたはずです。

どうでしょうか?世間で通用しない単価のまま、安易に「売上拡大」により問題解決できた問題でしょうか?

むしろ、厳しい単価交渉の末に得た「競争力」により、「売上拡大」につながったという理解が妥当だと感じます。

嫌われたくない」、「嫌な顔をされたくない」という気持ちは誰もが持つと思います。しかし、安易に現実から逃げないことこそが、WIN-WINへのファーストステップであると感じます。